Arterial Stiffness 動脈壁の硬化と老化

主要文献

文献ナンバー No.23-(22)

Greve SV, Blicher MK, Kruger R, Sehestedt T, Gram-Kampmann E, Rasmussen S, Vishram JK, Boutouyrie P, Laurent S, Olsen MH.. Estimated carotid-femoral pulse wave velocity has similar predictive value as measured carotid-femoral pulse wave velocity.J Hypertens. 2016 Jul;34(7):1279-89.
◆推定頸動脈−大腿動脈間脈波伝播速度は実測頸動脈−大腿動脈間脈波伝播速度と同様の余後予測因子である◆
【背景】頸動脈−大腿動脈間脈波伝播速度(cfPWV)は新たな心血管リスク予測指標として認められてきているが、いまだ十分には普及していない。そこで、年齢、平均血圧から導き出された推定cfPWV(ePWV)がcfPWVに代わり有用となる可能性がある。この研究の目的は、ePWVが心血管イベントの独立した予測因子となるか否かを検討することである。【方法】デンマークのMONICA10 コホート研究の2 ,366 人においてcfPWV とePWV が測定された。さらにSystematic Coronary RiskEvaluation(SCORE)やフラミンガムリスクスコア(FRS)により4つのグループに分けて検討した。心血管死、非致死性心筋梗塞、脳卒中、虚血性心疾患による入院を複合心血管エンドポイントとし、2006年から研究が開始された。【結果】ほとんどの結果はパリコホートからの1 ,045 人の高血圧患者において再検査された。Bland-Altman法により得たePWV とcfPWV の方法間の差は−0 .3 %[95 % 信頼区間(95 %CI):−15〜17 %]であった。明らかな健常者においてCox 回帰モデルでは、ePWV とcfPWV は独立してSCORE[HR(95%CI):1.38(1.09-1.76) vs. HR(95%CI):1 .18(1 .01 -1 .38)]、そしてFRS[HR(95 %CI):1 .33(1.06-1.66) vs. HR(95%CI):1.16(0.99-1.37)]の複合エンドポイント予測を改善した。ePWV、cfPWVの両方あるいはいずれかが10 m/ 秒以上の健常者はSCORE 高値群へ再分類された(net reclassification index 10.8%、p<0.01)。これらの結果はパリコホートに引き継がれた。【結論】ePWVは従来のリスクスコアであるSCORE、FRS、cfPWVと独立してMACEの予測因子であった。これら従来のリスクスコアは、年齢および血圧が動脈スティフネスおよび心血管リスクに及ぼす複雑な影響を過小評価している可能性が示唆された。(小松俊介)
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