Arterial Stiffness 動脈壁の硬化と老化

主要文献

文献ナンバー No.23-(23)

Loehr LR, Meyer ML, Poon AK, Selvin E, Palta P, Tanaka H, Pankow JS, Wright JD, Griswold ME, Wagenknecht LE, Heiss G. Prediabetes and Diabetes Are Associated With Arterial Stiffness in Older Adults: The ARIC Study.Am J Hypertens. 2016 Sep;29(9):1038-45.
◆高齢者における糖尿病前症・糖尿病と動脈の硬さの関連(The ARIC Study)◆
【背景】高齢者における糖尿病前症・糖尿病と大動脈・末梢動脈の硬さとの関連を検証した。【方法】第5次AtherosclerosisRisk in Communities(ARIC)研究(2011 〜 2013 年に実施)に参加しているコホートメンバーにおいて頸動脈−大腿動脈間脈波伝播速度(cfPWV)、上腕−足首間脈波伝播速度(baPWV)、大腿動脈−足首間脈波伝播速度(faPWV)を計測した。空腹時血糖値126 mg/dL 以上、HbA1 c6 .5 %以上、もしくは現時点で糖尿病薬を内服している症例を糖尿病群と定義した。空腹時血糖値が100 〜125 mg/dLもしくはHbA1cが5.7〜6.4%であり糖尿病ではない人々を糖尿病前症と定義した。断面研究として多変量線形解析を実施した。【結果】cfPWV を計測した被検者4 ,279 名(平均年齢75歳)のうち22%はアフリカ系アメリカ人であり、25 .5 %は糖尿病、54 .7 %は糖尿病前症であった。血糖値が正常であった群と比較して、糖尿病群は平均でcfPWV が95 .8 cm/ 秒高かった(1 歳年齢ごとのcfPWV増加は14.4cm/秒である)。同様の所見はbaPWVでも認められた。一方、faPWV は糖尿病群で正常群よりも17 .6 cm/秒低値を示したが、糖尿病前症でbaPWVは高値を示した。糖尿病群においてアルブミン尿、腎機能低下、10年以上の糖尿病歴、HbA1cが7%以上の症例ではcfPWV がさらに高値を示した。【結論】高齢者において糖尿病では大動脈の硬さは増大し、末梢動脈の硬さは減弱している。また、糖尿病前症ではbaPWVが増大していた。断面解析では、糖尿病罹患により大動脈の硬さは実年齢よりも6歳亢進することが示された。(高橋梨紗)
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